名前と顔が思い出せない原因と忘れにくくなる対処法
「あ~、あの人、顔は思い浮かぶのに名前が出てこない・・・!」
だれでも一度はこんな経験、ありますよね。何気ないことですが、友人知人との会話の中で、相手の名前が出てこなくなると気まずくなるもの。もしかして病気?と思っている人もいるかもしれませんが、実はこれ、脳の機能上しかたのないことなんです。
この記事では、名前と顔が一致しない原因と対処法について解説していきます。今まで名前が思い浮かばなかった場面があって困ったという人も、そうでない人も是非参考にしてくださいね。
目次
名前が出てこない原因は、生きるか死ぬかにかかわらないものだから
人の名前などが舌先まで出かかっているのに出てこない・・・!この現象のことをTOT現象と呼びます。心理学の用語で、「Tip of the tongue」を略したもの。
さて、このTOT現象ですが、名前と顔が一致しない原因はズバリ、人の名前は生命に関わらないから。
人の記憶は、エピソード記憶と意味記憶の2種類に分類されます。
エピソード記憶とは?
エピソード記憶は、例えば沸騰したヤカンに触ったらやけどするとか、山の中に無闇に入ると熊に襲われる、など生存・生命に関わるものです。エピソード記憶は生命に関わることなので、優先的に脳に記憶されています。
意味記憶とは?
対して、意味記憶とはそれだけで意味を成すモノのことを言います。人の名前や元号、歴史上の出来事などがそれにあたります。意味記憶は生命に関わらないものなので、記憶として定着しづらいのです。人の名前は、この意味記憶に当てはまります。
喉まででかかった名前を思い出す効果的方法
喉まで出てきているのに名前が出てこない・・・。そんな時に有効なのが、あいうえおの順番で名前のアタリをつけること。
あ行の名前なら、「あ、い、う、え、お・・・大田さん!」というように名前の頭文字がある行を声にだしてみます。すると、約30%の確率で思い出せなかった名前がでてきます。多くの場合は名前の頭文字がわかれば出てくるので、まずは試してみましょう。
より効果的な名前の覚え方
どうしても人の名前が覚えられない・・・そんな人は少なくありません。この場合は、連想記憶として覚えてしまうのが効果的です。
連想記憶とは?
連想記憶とは、部分的な情報を付け加えることで、より記憶に定着させる方法です。例えば「いい国(1192)つくろう鎌倉幕府」など歴史を覚えるときにも使われていますね。
人の名前を覚えるときに使う場合だと、自分で何かしらのエピソードを作るのが効果的。例えば、「田中さんはココリコの田中さんと苗字は同じだけど背格好は全然違ってまんまる」といったイメージなどを名前と一緒にくっつけて覚えるのです。
このようにして複数の情報を加える事で、より記憶の定着が簡単になるのです。
さらに顔と名前を覚えやすくするには
さらに名前を覚えやすくする方法があります。それは、名前と顔を同時に映像として記憶すること。一番良いのは、相手の名刺と顔を同時にみることですが、名刺がなければ表札や名簿などで相手の名前みながら顔を思い浮かべても同様の効果が期待できます。
また、顔を覚えるときはできるだけ笑顔になってもらったほうが良いと言われています。これは笑顔優位性効果と言い、真顔の時より笑顔のほうが感情が動くため、記憶に定着しやすいのだそう。
ですから、相手が自然と笑顔になるように話をしてみるとより顔と名前を記憶に定着できるようになります。ペットの写真などを見せてもらった時の相手の顔はほころんでいるはずですから、チャンスですよ!
さて、いかがだったでしょうか。
人の名前がなかなか覚えられなくて困っている方も、ここで紹介した方法を使えば記憶定着率アップが期待できますよ!ただし、相貌失認の場合は人の顔と名前が覚えられない病気なので、無理せず自分がそういう病気だと告白するほうが、お互いにストレスを溜め込まないのでよいそうです。相貌失認は病院で検査が必要なので、生活に支障が出るほど顔と名前を覚えられないのであれば、一度病院で診察を受けることをおすすめします。