【唾】身体の慣用句とその使い方・例文

【唾】身体の慣用句とその使い方・例文

今回は「唾」「涎」を使った慣用句をまとめていきますよ。唾というと傷口につけてなおすなんて方法がありますよね。

唾を傷口につけることで汚れを落とすとともに、唾の殺菌作用により消毒として用いられた民間療法と考えられます。
だから「唾つけとけば治る!」なんて言われていたんですよ。

でも現実的には傷に唾つけても早く治るかというとそうでもないですし、そもそも口の中は雑菌が非常に多いため、傷口は水で洗ったほうが良いんですよ。

周りにキレイにするものがなにもない時の応急処置法としては悪くないのですが、傷口には唾!と結びつけるのは間違いなんですよね~。

というわけで、早速唾を使った慣用句、見ていきましょう!

「唾」を使った慣用句

唾を付ける

これは自分のものだぞ!といった意味を込めて、他人にとられないように、予め声をかけておいたり手を付けたりすることを「唾を付ける」といいますね。

唾を付けるというとなんだかばっちいですが、それで他人が「チッ、あいつの唾がついてるのかよ…他行こ」となれば儲けものですね。

例文1
その土地は私が先に唾を付けておいた場所だ。いくら金を積まれてもあとから来たヤツに譲ってやるつもりはない。
例文2
その子が将来有望なのは間違いない。今からでも唾を付けるべきだ、と言ってマネージャーは彼のもとに走っていった。

唾を引く

酸っぱいものを見たり匂いを嗅いだりすると、勝手に唾が出てきてしまいますよね。転じて、よだれを垂らすほどものを欲しがることを「唾を引く」といいます。

それだけ欲しいものがあるのはちょっと羨ましいですね。

例文1
グレープフルーツをまるごと目の前に置かれたため、私は思わず唾を引いた。
例文2
あまりにも喉が乾いていたもんだから、ただの水を差し出されただけなのに唾を引いた。

咳唾珠を成す(がいだたまをなす)

これは慣用句というより故事成語です。咳や唾のように発する何気ない言葉であっても、まるで珠玉のように美しい、というたとえですね。詩文の才能が豊かである、という意味でもあります。

自然にそんな言葉が出てくれば羨望の的となるのは間違いありませんが、普段からいい言葉に触れていないと難しいでしょうね。

例文1
彼は育ちが良いからか、咳唾珠を成すのごとく、聞いている方が恥ずかしくなるようなことを平気で言う。
例文2
咳唾珠を成すとは言うものの、それほどの人物と出会ったことが一度もない。

固唾を呑む(かたずをのむ)

ものごとの成り行きをじっと息をこらして心配しながら見つめる状況のことを「固唾を呑む」と言いますね。

唾に固いも柔らかいもないのですが、唾を飲み込むのも忘れて成り行きを見守っている途中で溜まった唾をゴクリと飲み込むような状況を想像すると良いかもしれませんね。

つまり、唾の固まりを飲み込むということですね。

例文1
観衆はロケットが打ち上げられるのを固唾を呑んで見守っていたが、無事発射されたことで喜びの声が響き渡った。
例文2
彼が出場した試合の相手選手は去年の準優勝選手だったため固唾をのむほどの試合となったが、辛くも彼の勝利となった。

痰を切る(たんをきる)

「痰を切る」はそのままの意味で喉の痰をとるという意味と、スカッとするような威勢のいい言葉を使う、「啖呵を切る」の2つの意味がある言葉。

どちらも気持ち悪い状況を変えるという意味では共通ですね。

例文1
花粉症のせいで痰のつまりがひどい。何度も痰を切る必要があるのが面倒だから、そろそろ病院にでも行こうかなぁ。
例文2
なかなか結果を出せない私が「次の企画でうまく行かなかったら減給な」という上司の一言で「次は絶対に成果出します!」と痰を切ることになろうとは、私自身想像していなかったことだ。

涎が出る

涎とは唾液のことですが、口の外に出てしまったものが涎ですね。「涎が出る」とはお腹が空いたときに食べ物を見てものすごく食欲が感じられることや、欲しくてたまらないものを欲しがる、羨ましがるさまを意味します。

意味としては「唾を引く」とほぼ同じですが、こちらのほうが汎用性が高くよく使われています。

例文1
部活が終わって帰宅すると僕の大好物のカレーの匂いが!思わず涎がでるよね。
例文2
オークションでは安値で良いものを欲しい人が涎を出して出品を待っている。

涎を垂らす

「涎を垂らす」は「涎が出る」と同じ意味の慣用句。使い方もほぼ同じですので、文脈に合う方を使えばOKかと思います。

例文1
その犬は涎を垂らして飼い主がエサをくれるのを待った。
例文2
涎を垂らすほど欲しいと思っていた限定グッズをこうもあっさり手に入れられるとは拍子抜けだ。

涎を流す

これも「涎が出る」「涎を垂らす」と同じ意味の慣用句ですね。「出る」「垂れる」「流れる」で若干ニュアンスが違うことを意識すると使い分けやすいと思います。

個人的には、「出る」<<「垂れる」<<「流れる」くらいのニュアンスですね。涎をダラダラと流すほど欲しがるというのはよっぽどだと思います。

逆に、涎が出るというと口から溢れ出るほどではないとも考えられるので、欲しいけども涎が流れるほどほしいというわけでもない、と個人的には考えます。

とはいえ、いずれもほぼ同じ意味ですので上手に使い分けてみてもらえればなと思いますね。

例文1
数年間片時も忘れず、涎を流すほど欲しかったグッズをようやく手に入れられて私は今感涙しているところだ。
例文2
犬におすわりをしばらくさせていると涎を流し始めた。よっぽど早く食べたかったのだろう、悪いことをしたと思っていつもよりちょっと多目にエサをやった。

まとめ

はい、というわけで「唾」を使った慣用句をまとめました。
唾液には殺菌作用があると最初に書いたのですが、この作用により雑菌の繁殖を防いで口臭を予防している側面もあったりするんですよね~。

口臭がなんかクサイという人は、水分をいつもより多目に補給するようにして唾液分泌を促進することで口臭予防は可能だったりします。

唾って普通に生活してると意識しないのですが、口臭予防や食べ物の分解にも関係しているので意外と疎かにはできないんですよ!

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