W杯準々決勝 オランダvsコスタリカ オランダの猛攻に耐え、ワールドクラスの堅守でPK戦へ持ち込んだコスタリカ。1点差で敗れる。

W杯準々決勝 オランダvsコスタリカ オランダの猛攻に耐え、ワールドクラスの堅守でPK戦へ持ち込んだコスタリカ。1点差で敗れる。

オランダ 0 - 0 コスタリカ(PK/4-3)

イエローカード

フニオル・ディアス(コスタリカ)

ミチャエル・ウマニャ(コスタリカ)

ブルーノ・マルティンス・インディ(オランダ)

ジャンカルロ・ゴンサレス(コスタリカ)

ジョニー・アコスタ(コスタリカ)

クラース・ヤン・フンテラール(オランダ)

完璧なガードを固めるコスタリカ

試合開始直後からオランダの猛攻が始まり、先制して主導権を握ろうとする気持ちが伝わってくる。

対するコスタリカは守備的なポジショニングからその攻撃をことごとく防ぐ。しかし、守備に手一杯といった印象で攻撃には精彩を欠いていた。

なかなか攻撃がうまくいかないオランダ。闇雲に攻めるのをやめて、じっくりとボールを回しながら慎重に攻め始める。

ボールを回していく中で広めのスペースから攻撃を展開するが、どうしてもコスタリカ守備陣を攻め崩すことができない。

時間とともに徐々にコスタリカのパスミスが目立つようになり、そこからのカウンターでコスタリカゴールへ何度も迫る。

ナバスがいなかったら(スペイン戦みたいに)簡単に勝負はついていただろう。

しかし、今大会注目の守護神、コスタリカGK/ナバスがゴール前に立ちはだかる。

オランダはファンペルシーが良くも悪くも目立っていた。

ポストとしての役割は果たしていたように思うが、肝心なシュートチャンスをまったく生かすことができていない。

カイトからロッベン、スナイデルへのラインはしっかりと機能していただけに残念だった。

均衡を保ったまま前半終了。

前半だけを見ると、ポゼッションはオランダ63%-コスタリカ37%。シュート数は4-1。コスタリカは枠をとらえたシュートは0だった。

この数字だけ見てもコスタリカの堅守ぶりと、オランダの困惑ぶりがうかがえる。

ガードを崩せないオランダ。延長のGK交代が大きな意味を持つ結果に

後半に突入。

今大会では後半に合計10得点を挙げているオランダ。後半に勝負を決めるだろうと予想できた。

しかし、データ通りに試合は運ばない。

後半に入って両チームともにミスが目立つようになる。コスタリカは守備にほころびも出てきて、ファールからFKという展開が増える。

オランダの猛攻は止まらず、再三に渡るピンチがあったが、コスタリカGK/ナバスが神がかったセーブで救う。

オランダの攻撃力よりもコスタリカの守備力が目立った。

コスタリカもカウンターから得点チャンスを生み出そうとするが、ゴールまでは至らない。

後半終了まで両チーム無得点で延長に突入。

延長に入っても均衡は崩れず、リプレイを見ているような展開が続く。

延長後半まで選手交代のカードを温存していたオランダが、前戦のヒーロー、FW/フンテラールを投入する。

それでもコスタリカからゴールを奪うことができず、逆にオランダが攻め込まれる展開も見られた。

延長でも勝負がつかずPK戦へ。

大きな仕事をした、オランダGKクルル

このPKで大きなポイントとなったのは、延長後半16分から投入されていたオランダGK/クルルだった。

このクルルが2本のシュートをセーブ、4-3で辛くもオランダが勝利した。

この試合、本当にサッカーはやってみないとわからないと思わせる試合だった。

数字が語るコスタリカの驚異的守備力

コスタリカが守備に重点を置いてくることはオランダにも十分に予想できたと思うが、あんなにも機能的な守備を固めてくるとは思っていなかっただろう。

(前戦オランダが対戦したメキシコのように)ロッベン、スナイデル、ファンペルシーを個別に抑えるのではなく、あくまで組織的に守備を固めていた。

無駄なプレスをなくし、スペースを渡さない。それがオランダ攻撃陣を見事に無力化させていた。

そして、どんなに攻め込まれてもGK/ナバスを越えられない。とてもみどころのある試合だった。

名将と呼んでいいだろう。コスタリカ、ピント監督

試合後のデータを見ると、シュートはオランダに対してコスタリカが。コーナーキックはオランダに対してコスタリカ。まったく点が入っていないのが不思議な数字。

そして注目すべきなのはオフサイド。オランダ2に対してコスタリカが13。いかにコスタリカが組織的かつ忠実に機能していたかがわかる。

個人技ではとうてい及ばない相手に対しては戦術と組織力で勝負し、それをしっかり実行できれば負けることはないという見本だ。選手と監督の相性が良く優秀でなければできない。

PKで勝負を決めるのは、ジャンケンで決めているような気がして嫌いだけど、これもルール。仕方ないね。

両チームの驚異的なスタミナと戦術、矛と盾の名勝負、120分間とてもいい試合だった。

次戦はアルゼンチンと戦うオランダ。ロッベン、スナイデル、カイトは完全に昇り調子。しかし気になるのはファンペルシー。なんか一人動けてないように見えるけど…大丈夫か!?

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