【歯】身体の慣用句とその使い方・例文

【歯】身体の慣用句とその使い方・例文

今回は「歯」を使った慣用句をまとめていきます。「歯」の慣用句は見たこともあるし使ったことがあるのが半分、もう半分はあることさえ知らなかった、という人が多いかもしれませんね。ともあれ、他の部分よりも慣用句の数は少ないので、覚えようと思えば覚えられる範囲かなと思います。

でも実際に使わなきゃ覚えることも難しいわけですが…。というわけで、早速見ていきますよ!

「歯」を使った慣用句

歯に衣着せぬ

これは実際に使われているのを見ることが多い慣用句だと思います。「歯に衣着せぬ」は、自分の思ったままに発言するという意味ですね。相手のことを考えて物言いを柔らかにすることも多々あるわけですが、そういったことを一切せずに自分の思ったことをストレートに言うという意味があります。

例文
彼には悪気は無かったのだろうが、歯に衣着せぬ物言いをされて僕は思わず涙ぐんでしまった。

歯の抜けたよう

ところどころが抜け落ちて不揃い、あるはずのものがなく欠けていてさびしい状態のことを「歯の抜けたよう」という慣用句で表現できます。これも恐らくどこかで一度は見かけたことがあるはず。

例文
この畑は植えたり植えてなかったりする場所があって、歯の抜けたような芽の出方になっている。

櫛の歯が欠けたよう(くしのはがかけたよう)

これも上記の「歯の抜けたよう」と同じ意味で、あるべきものがところどころ抜けてしまっていることを意味する慣用句。こちらはあまり使われない表現なので、素直に「歯が抜けたよう」を使うほうが無難です。

例文
病院には4や9のつく部屋がないと聞いて櫛の歯が欠けたような話だと思ったが、理由を聞いて少し背筋がゾワッとした。

歯を食いしばる

苦しいことや辛いこと、無念であることに一生懸命耐えるという意味で「歯を食いしばる」は使われますね。ちなみに、物理的に歯を食いしばってばかりだと歯がちびてくるので気をつけましょう。

例文
僕は歯を食いしばって現実に立ち向かっている。リアルなんてどうしようもないクソゲーだが、だからこそ踏ん張りがいがあるというものだ。

奥歯に物が挟まる

思っていることをズバッと言うのが「歯に衣着せぬ」でしたが、逆に思っていることをはっきりと言わない、言いたいことがあるのに言えない様子を「奥歯に物が挟まる」と表現します。

大人になると周囲のことを気遣って、奥歯に物が挟まるような物言いをしてしまうことは多々あるもの。ですが子供は無邪気に何でもかんでも好き放題言うので困りますね…。

例文
私は彼にはっきりと質問に対する答えを聞きたかったのだが、奥歯に物が挟まる物言いばかりをして結局どうなのかがはっきりわからない。彼に言わせれば「具体的にわからない方が良いこともある」んだとか。

切歯扼腕(せっしやくわん)

これは慣用句というよりも故事成語ですね。強く残念がったり怒ったりして歯ぎしりをしたり、腕を握りしめたりする様子のことを意味します。掌ではなく腕を握りしめて悔しさをにじませるのがポイント。

例文
彼はあと一歩というところで相手に及ばなかった。切歯扼腕の思いで世界大会2位の表彰台に上ったのだろう。

歯牙にもかけない(しがにもかけない)

「歯牙にもかけない」は相手にしないとか全く問題にしない、意に介さないといった意味があります。話に取り合う気がないときや、スポーツの試合で自分と同じくらいだと思っていた相手が、自分のことをなんとも思ってなかった時など色々な場合に使えて便利です。

例文
アイツは僕のことなんか歯牙にもかけていないんだよ。だって目指してるのは全国大会だから。

歯を没す(しをぼっす)

これは故事成語ですね。歯と書いて「し」と読みます。意味としては、命が尽きる、死ぬとなりますね。孔子が残した論語の憲問にて使用されています。書いてあるのは憲問第十四の十。話の中で登場人物が死ぬまで恨み言を言うことがなかったから大したものだ、という文脈で使われています。

歯が浮く

「歯が浮く」は歯が浮き上がるように感じたりすること。慣用句的には、軽薄な言動で不快な気持ちになる(おせじなど)といった意味がありますね。お世辞を言えばなんとかなると思っている人もいるかも知れませんが、お世辞で不快になる人もいるので見極めが肝心です!

例文
コイツは歯の浮くようなことばかり上司に言っているが、言われた本人はお世辞だとわかっていないのかいつも嬉しそうだ。

歯に合う

「歯に合う」は今ではほぼ使われていないのですが、噛むことが出来る、そして底から転じてその人に適している、ちょうどよい相手になる、といった意味になります。

例文
実力が中途半端だから歯に合う相手を探すのも一苦労だ。

歯の根が合わない

寒さや恐ろしさ、恐怖などでガタガタと震えてしまう様子を「歯の根が合わない」と表現できます。最近では自然災害でもバカに出来ないレベルのものが頻発しているので、そんなのが起きたら歯の根が合わない…なんて言わずにしっかりと事前対策をしておくことが大切ですね。

例文
雪国の夜は慣れない私には歯の根が合わないレベルの寒さだった。

歯亡び舌存す(はほろびしたそんす)

これも故事成語です。頑丈そうに見えるものは早々に滅んで、柔軟なものほど長生きするというたとえですね。プラスチックでも硬いものほどもろく、柔らかいものほど壊れにくいといった特徴があるので色々なケースに置き換えて考えられそうな言葉です。

歯を噛む

歯ぎしりをしたり、残念がったり悔しがる様子を「歯を噛む」と表現できますね。

例文
彼の立ち姿を見ていると、思わず歯を噛むほどの悔しさが滲み出てくる。

奥歯に衣着せる

「奥歯に衣着せる」は「奥歯に物が挟まる」とほぼ同じ意味で、物事をはっきりと言わずに思わせぶりなことを言う、そういった言い方をすることですね。「歯に衣着せぬ」の逆に意味と覚えておけば良いので暗記はラク。

例文
歯に衣着せぬ物言いの彼が今日は奥歯に衣着せるような言い方ばかりしているぞ。何かが怪しい。

奥歯に剣(おくばにつるぎ)

相手に対し敵意を持っているものの、それを表に出さない様子を「奥歯に剣」という慣用句で表現できますね。慣用句に「奥歯」が使われていると、隠し玉をもっているという意味になりがちなのが面白いところ。

例文
私が取引先に対し、奥歯に剣という心持ちで相対していることに薄々相手も気づいているはずだ。

まとめ

というわけで、「歯」を使った慣用句についてまとめました。最初に書いたとおり、半分は見たこともある慣用句だったのではないかと思います。歯は食事から栄養素を摂取するのに欠かせないものなので大事にしないといけません!最近歯医者さんで歯科健診してもらった覚えのない人は、せっかくなので検診してもらってはどうでしょうか。

歯の健康は体全体の健康にもつながっているので、大事にしていってもらいたいなと思います。あ!もちろんここで紹介した慣用句もしっかり覚えてくださいね(笑)

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