【額】身体の慣用句とその使い方・例文
さて、身体の漢字を使った慣用句、今回は「額(ひたい)」です。額とはおでこのことですね。髪の生え際から眉毛までの部分のことですが、額が広い人もいれば、ものすごく狭い人もいてよく観察すると個性豊かな場所とも言えるでしょう。
ただ、その反面慣用句として使われているかというとそうでもありません。口や鼻などの目立つパーツのほうがよっぽどたくさんの慣用句があるんですよね。そう、慣用句界(?)において「額」は日陰者なのです。ここで紹介するのはたった9つの慣用句のみ。
例文をいつもより多めでまとめていきますので、日の当たりにくい額に焦点をあててみてもらえばなと思います。
目次
「額」を使った慣用句の使い方と例文
額に皺を寄せる(ひたいにしわをよせる)
難しいことを考えているときや集中しているときって無意識に眉が持ち上がって三みたいなしわができてしまうこと…ないですか?。そのような状態のことを「額に皺を寄せる」と表現することがあります。
ちなみに、「眉間に皺を寄せる」だと不機嫌そうな表情という意味になりますので、似てはいるものの異なります。おでこや眉間にしわができると一気に老け込んだ印象になるので、できれば無駄な力を入れないように日頃から心がけましょう!
額を集める
なにかしらの相談事がある時に、人が集まって話し合うことを「額を集める」と言います。「鳩首(きゅうしゅ)」でもまったく同じ意味となりますね。また、「頭を集める」でも同じです。
頭や額が集まると相談事が発生するのはおそらく脳が集まるからなんでしょう。たぶん。
猫の額
「猫の額」は場所が狭いという意味の言葉ですね。猫の額がそれほど狭いかと言うと、驚くほど狭いというわけでもありません。
人間だとものすごく狭い人もいれば、ものすごく広い人もいますよね。あまりにも広いとハゲだと言われてしまうこの悲しみ…。おでこがびっしり体毛で覆われている猫にはわからないでしょうね…っ!
額垂る(ひたいたる)
「垂る」は「剃る」の忌み言葉で、この慣用句は額を剃るという意味ですね。かなり昔の表現なので、現在で使われることはありません。たまに目にする「忌み言葉」ですが、状況的に良くない言葉がある場合に、それとは逆の意味の言葉を当てはめてしまうものですね。
たとえば、宴会の締めなどで、「それではこれでお開きです。」ということがありますね。終わるのになぜ開くのかと疑問に思っていたかもしれませんが、あれも忌み言葉なのです。意外と日常生活に忌み言葉は浸透しているので、色々と探してみると面白いかもしれません。
額に汗する
「額に汗する」とは、一生懸命働くという意味で使われる慣用句。ただ単純に汗をかくのではなく「働く」という意味があるところに注意しましょう!別に運動したり暑かったりしても額に汗は出るんですけど、炎天下でも外回りでひたいに汗を流しつつ、それをハンカチで拭き取るサラリーマンの姿のほうがしっくり来るのはなぜなんでしょうね。
額に筋を立てる
怒りでカーっと頭に血が上ると、おでこの血管が浮き出て見えることがあります。その様子を「額に筋を立てる」と表現し、激しく腹を立てるという意味で使われますね。普通に怒っただけでは青筋が出るほどにはならないので、よっぽどご立腹であるというときに活用すると、どんな状況か伝わりやすくなりますよ。
額に箭は立つとも背に箭は立たず(ひたいにやはたつともそびらにやはたたず)
これは慣用句というよりもことわざですね。くどい言い回しなので使いにくいしわかりにくい!というわけでつかうこともなさそうなのですが、おでこに刺さる矢はあっても背中には刺さらない=敵に後ろを見せないという意味になります。
使えたらちょっとかっこいいですが、使う場面もほとんど無い気がします。
額を合わせる
「額を合わせる」は額と額がくっつくくらいの距離に近づく、という意味ですね。そんなに近づくと恥ずかしいです。なお、文字通り額をくっつけているわけではないところに注意しましょう。
額を突く
「額を突く」とは、ひたいが地面や床につけるようにお辞儀や礼拝をすることを意味します。これも現在ではほぼ使われない慣用句の一つでしょう。
まとめ
はい、というわけで「額」を使った慣用句をまとめてみました。こうしてみると、今現在使われていない慣用句の方が少ないですね。数は少ないですが、現役で活用されている言葉が多いのは良いことかもしれません。覚えやすいですしね。
一つでも気に入った慣用句があれば、ぜひとも覚えていつでも作文内で活用できるようにして欲しいところです!