【パート2】虫の慣用句とその使い方・例文
虫というとちょっと毛嫌いしたくなる人もいるかも知れませんが、中にはちょっと格好良かったり、あるいは可愛かったりという虫もいるんですよね。ただ大抵は不快害虫のイメージが強いのであまいいいイメージの人はいないかも。
ここでは虫を使った慣用句パート2をまとめていきますよ。
目次
虫を使った慣用句・例文
虫が嫌う
「虫が嫌う」というのはなんとなく気に食わないことを意味する慣用句。「虫が好かない」とほぼ同じ意味ですが、微妙にニュアンスが違います。どちらかと言うと「虫が好かない」の方が汎用性が高く使いやすいかと思いますね。
ちなみに虫が嫌いなのはハーブの香りです。
虫の知らせ
これは「虫が知らせる」とほぼ同じ意味で、特に根拠はないものの良くないことが起こりそうな感じがすること。物事が順調に進みすぎて怖い時などに、なんだか背筋がゾワッとすることがあると思いますが、そういった時に使えるとスマートですね。
虫を起こす
この慣用句はおそらく現在使われることはほぼ無いと思われます。というのも、子供が寄生虫により腹痛や不眠、癇癪などの症状を示すことを意味するからです。
不衛生だった昔の生活環境と比べると現在は病院にもすぐに行けるし食事も汚いものを食べることなどないですからね。そういう意味では虫を起こすこともなくなったのはありがたい話です。
虫を殺す
「虫を殺す」というとちょっと怖い字面の慣用句ですが意味としてはシンプルで、腹が立つのをぐっとこらえて我慢するという意味になりますね。
腹の虫がおさまらない
「腹の虫がおさまらない」とは、何かしら癇に障ることがあって怒りが抑えきれない状態のことを指す慣用句。いちいち触れなくて良いことを指摘してくるようなムカつく人に対して使う慣用句ですね。
なんか虫関係の慣用句は腹が立ってムカムカする系の意味が多いように思うのは気のせいでしょうか。
腹の虫の居所が悪い
これも腹が立つ系の慣用句。というか「虫の居所が悪い」に腹をつけただけなんですが…腹にいる虫はどうやら機嫌が悪い虫ばかりのようですね。
使い方は「虫の居所が悪い」と全く同じで、機嫌が悪い時に使います。
蟷螂が斧を取りて隆車に向かう(かまきりがおのをとりてりゅうしゃにむかう)
これは「蟷螂の斧」という故事成語を慣用句としたものですね。蟷螂の斧には自分の弱さをかえりみず強敵に挑むことという意味があります。はかない抵抗で結局何の意味もないという哀れさを表現する言葉と言えるでしょう。ちなみに隆車とは大きくて立派な車という意味。
カマキリは向かってくるものに何でも自慢のカマを向けますが、それが自動車だとしたら…何の抵抗もできずあっけなく踏み潰されてしまいます。そのような儚さを表現するときに使うとGood。
蛍二十日に蝉三日(ほたるはつかにせみみっか)
活動的な虫ほど寿命が短いですよね。逆になかなか動かない虫は寿命が何年もあったりしてなかなか面白いものです。この慣用句は単純にホタルやセミの寿命を言っているのではなく、物事の盛りが短いことを例えた慣用句となります。
虻蜂取らず(あぶはちとらず)
アブもハチも嫌な虫ですが、かといって近づいてきたらどうにかしなきゃいけないですよね。この慣用句の意味は、同時に複数のものをねらった末、結局なにも得られないことを例えたもの。「二兎を追う者は一兎をも得ず」と似たような意味ですので覚えやすいかもしれません。
2つ同時にやろうとしても、どちらも中途半端になることが多く、結局一つのことに注力しておけばよかったと公開してしまうことはよくあるもの。そのようなことにならないよう気をつけなければなりませんね。
蜘蛛の子を散らすよう
クモの子ってみたことありますか?ものすごく小さいダニみたいなのが壁一面にびっしりくっついてるんです。で、それをちょっと棒とかでつつくと、ものすごい勢いでバーっと散っていくという…ちょっと思い出すだけで鳥肌が立つんですけど、その様子から大勢の者が四方八方に逃げていく様を表現するのがこの慣用句。
出来れば二度と遭遇したくない後継ではありますが、室内で目撃してしまうと撃退しないわけにもいかず…。
独楽鼠のよう(こまねずみのよう)
こまねずみとは、ハツカネズミが突然変異をしそれが固定種となったねずみのこと。平衡感覚が異常になっており、まるでコマのようにくるくると回るという習性をもつのだそうです。
それが慣用句として使われているのがこの「独楽鼠のよう」ですね。意味としては休みなくあちこち動き回る様を表現するものです。
これは仕事で忙しい場合、プライベートで忙しい場合両方とも使えるので汎用性のある慣用句の一つ。
蜉蝣の命(かげろうのいのち)
カゲロウというと長い翅があり胴体も縦長でイメージ的にはトンボに似ている虫(実際の姿は全く別物)ですが、そのカゲロウの寿命が短いことを例えて「カゲロウの命」と表現します。
ギリシャ語でエフェメラとは1日しか存在しないものを指す言葉なのですが、それがカゲロウの学名として採用されているので、やはりカゲロウの寿命は誰がどう見ても短いのでしょう。
成虫の寿命は約1日~1週間ほどだそうです。セミでも1週間は生きるのに1日だけというのは流石にあんまりですよ…。そんなはかなさを表現したい時に「カゲロウの命」を使うとちょっと知的に思われるはずです。
蝶よ花よ
チョウって虫の中では華やかさのある種類で可愛らしいイメージのある虫ですよね。そしてそんなチョウが飛び交う花畑というのもまた優雅で美しいものです。そのような光景は守りたいと思うのも当然の話。
そしてこの「蝶よ花よ」という慣用句は、我が子を非常に愛くるしく可愛がる様を表現した言葉です。我が子がかわいいというのは当然として、ただちょっと愛情の込め方が強めというイメージで使うと良いかも。
蝸角の争い(かかくのあらそい)
これは「蝸牛角上の争い」と全く同じ意味で、非常にちっぽけな争いという意味になります。しょーもないことで争っているくらいなら英単語の一つでも暗記した方がマシってものです。
蛞蝓に塩(なめくじにしお)
ナメクジに塩をかけたことありますか?気持ち悪いナメクジを退治するには塩が一番!とりあえず塩をふりかけておけばイチコロですが、その原理はナメクジの体内の水分が濃度のバランスをとろうとして塩の方に移動してしまうから。
そこから、苦手なものに出会って萎縮してしまうことを例えたのが「ナメクジに塩」という言葉なんです。人前でスピーチするとか、苦手な人と対面するとか、テレビカメラに取材を受けてもいいですいいですと拒否したり…なんてこと、ないですか?
そういった苦手なことに対して萎縮してしまう時に使うと効果的な慣用句となります。
まとめ:虫を使った慣用句はまだまだある!
というわけで、虫を使った慣用句パート2をまとめてみました。虫に関する慣用句はたくさんあるんですよ。むしって益虫だろうが害虫だろうが生理的に無理ってのが何種類かはいると思うんです。
でもその虫が慣用句に使われているというのは少し面白いですよね。「腹の虫」とかよく考えると意味分かんないですし(笑)
こういったことを調べていると、昔の人は面白い表現や例えを色々考えていたんだなと感心させられるばかりです。
虫に関する慣用句はパート3で終わりですが、慣用句はまだまだたくさんありますから、ぜひとも興味を持って色々調べてみてほしいな~と感じます。