低家賃の雇用促進住宅とは?入居する条件と申込方法・メリット・デメリットまとめ
人口減少といわれていますが、いまだに都内の家賃は下がることを知りません。
通勤に便利だからと都心に住もうと思うと、1LDKでもすぐに10万を超えてしまいます。賃金の低い人達は、ちょっと離れていても実家に住んだり、なかにはネット難民に近い状態の人もいます。そんななか、低家賃で住める「雇用促進住宅」が再び注目されています。あなたは雇用促進住宅をご存知でしたか?
注目を集める雇用促進住宅とは一体なに?
雇用促進住宅とは、その名の通り、勤労者向けの住宅です。現在は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営しています。
そもそもは、炭鉱の廃止などで移転せざるを得なくなった労働者が、新しい住居を確保できるまでの間、暫定的に低家賃で住宅を借りることができるように作られたものです。
現在では、住宅の確保を図ることで職業の安定が図られると、公共職業安定所長が認めた人が利用できます。
間取りは2Kから3DKまで存在し、鉄筋コンクリート製が多く、平均家賃は約2万5千円となっています。
ちなみに、都内で一番家賃相場が安い青梅市で、3DKの平均が6万5千円ほど。これはかなりの破格と言えますね。
労働者にとっては嬉しい限りの、雇用促進住宅。しかし実は、閣議決定で、平成33年度までに譲渡・廃止することが決められています。
どんな人が住めるの?条件はある?
雇用促進住宅は誰でも住めるわけではありません。貸与用件と、入居者資格があります。
貸与条件は以下になります。
1.公共職業安定所の紹介などで就職することに伴い住居を移転する人
2.転勤などで、住居の移転を余儀なくされ、住宅に困窮している人
3.その他職業の安定を図るために住宅の確保を図ることが必要な人
この3つのうちのどれかに当てはまる人で、かつ、次の入居者資格全てに当てはまる必要があります。
1.単身もしくは家族を伴って入居。友達同士の入居や学生の一人暮らしでの入居は不可。
2.申請者の年収の12分の1の額が、家賃及び共益費合計額の3倍以上。
3.確実な連帯保証人がある。
4.申請者及び申請者と同居される人が暴力団員でないこと。
決して厳しい条件ではありませんが、きちんと働いている人で、親族などの確実な連帯保証人が必要です。
申し込む時は、近くのハローワークが窓口となっています。
メリットとデメリットをしっかり把握しておこう
雇用促進住宅はこんなにお得!
メリットは、なんといっても家賃が安くすむことです。平均家賃2.5万円は、民間の設定ではまずありえません。間取りも様々なので、家族での入居も可能です。
また、数が少ないのでは・・・という心配もありません。全国に約1500宿舎、3800棟、140000戸あります。雇用促進住宅の認知度は低いので、空いている可能性も高いです。
敷金以外の礼金・仲介手数料は不要なのも嬉しいところ。ただでさえ引越しでお金がかかっているのに、礼金を2か月分取られる・・・なんてことになると、かなりの痛手ですよね。
私は転勤が激しかったので、移動のたびに、引越し代金・敷金・礼金・仲介手数料で、貯金に大ダメージを受けてきました・・・この制度を事前に知っておけば!と後悔しています。
デメリットもきちんと覚えておこう
もちろん、良いことばかりではありません。雇用促進住宅は平成33年度に終わりが決まっている制度です。全国の対象住居が、順次、売却されたり廃止されたりしてます。
つまり、運よく希望の雇用促進住宅には入れても、すぐに「退去してください」と言われる可能性もあるのです。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営をしなくなったらそこで終わりなので、腰をすえることはできません。あくまでも、「仮の住居」と理解し、早々に引越し先を探す必要があります。
また、治安面の不安も残ります。古い物件がおおいので、セキュリティが古く、また周りの住人たちも単身の男性が多いです。とくに若い女性は、きちんと下調べしてから住むことをオススメします。
まとめ
雇用促進住宅は安いと言う最大のメリットがありますが、いつ住めなくなるか分からないという不安もあります。
転勤や転職などで、とにかくすぐに安い物件に住みたい人、まずは仮住まいをして、腰をすえて条件の良い住居を探したいというならば、非常に役に立つ存在です。
条件に当てはまる人は、雇用促進住宅もひとつの案として考えてみてはいかがでしょうか?