親の老後は生活保護以下!?親が下流老人にならないためにあなたが今できること

親の老後は生活保護以下!?親が下流老人にならないためにあなたが今できること

下流老人という言葉を聞いたことがありますか?いま、老後のたくわえがなく、ギリギリの生活を強いられる老人達が増えています。自分の親がそうなったとき、あなたは手を差し伸べますか?そのときあなた自身に余裕がないときは?

今回は、下流老人になる原因と、そうならないための対策をまとめてみました。「まだまだ先のことだから…」と楽観視せず、さしせまった問題として、ぜひ参考にしてみてください。

下流老人とは

下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」をさします。生活に困窮している人を助けている団体「NPO法人ほっとプラス」の代表である、藤田孝典氏が提唱した造語であり、現象です。

日本では昔から「老後のたくわえは自分で」という考えが強いです。年をとってお金がなくても自己責任といわれ、冷たい目で見られます。しかし、実際普通に働き、普通に子育てしていても下流老人になってしまう可能性はあります。けっして「怠けていたから」という理由ではなく、想定外のトラブルが続いた結果、生活保護以下の年金で何とかしのぐしかないという状態になってしまうのです。

そうなってしまう原因って?

原因はいくつか考えられます。たとえば、子供のことです。普通に子供が巣立ち、それなりの仕事に就いていれば、年金暮らしの老夫婦の生活を圧迫しません。困窮すれば「仕送り」という助けも受けられます。

しかし、現代の日本において、社会に出ず、親のお金を当てにするニートは増えつつあります。働いていても、収入が著しく少ないワーキングプアとよばれる人たちも少なくありません。仕送りどころか、年金暮らしになってもずっと子供を養い続けなくてはいけないのです。

他にも、思いがけない病気や事故によって、医療費がかさむと貯蓄は消え、年金を圧迫します。身近に介護などの支えがないと、さらに生活は困窮します。自分達で何とかしようにも、安価な高齢者介護施設は順番待ちの状態です。少しずつ身体も脳も衰え、施設にも頼れず、お金も少なくなっていく一方なのです。

さらに、熟年離婚率の上昇も「下流老人」の一因となっています。離婚によって、財産がわかれ、年金の受給額もぐっと下がってしまう…老後に支えあう人もいなくなるため、お金だけではなく生活そのものが不便になってしまうのです。

どうですか?もはや他人事ではありませんね。あなたのお母さんやお父さんがこれらの状況に陥らないとは、だれも言い切ることは出来ないのです。

年金だけじゃ無理なの?

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「年金だけで生活できないはずがない!」という考えもあります。しかし、年金の種類によっては、それは苦しくなってきます。そもそも、年金は3階建てまである「家」と考えることが出来ます。

ほとんどの人が1階の家に住むことはできます。これが「国民年金」です。さらに、民間の会社員は、会社が積み立てを折半してくれる「厚生年金」、公務員には「共済年金」があります。これが2階部分ですね。さらに、上乗せとして厚生年金基金などの「企業年金」が3階部分としてあります。

公務員や会社員は、努力すれば年金は3階建てとなります。上乗せがなくても2階建てであれば、それなりの安心はあります。ざっくりとした計算ですが、月に平均30万もらっているサラリーマンがいたとしましょう。25歳から40年間働いたとします。そうなると、老後の年金は、厚生年金が月8万円ほど、国民年金が月7万ほどで15万ぐらいになります。

贅沢をしなければなんとかなりそうですね。しかし、1階建ての人達はそうはいきません。農業や自営業をしている人達は、「厚生年金」といった2階部分が存在しません。40年間、国民年金を掛け続けていたとして、もらえるのは月6万5千円ほど。2階建ての人と比べると一転して、これはかなり苦しい数字です。実はこの数字は、一般的な高齢者の生活保護費とそう変わらない金額なのです。

どうやって防ぐべきか

厚生年金がある人はともかく、国民年金のみが頼りとなる場合、やはり貯蓄で大きく左右されます。上手に貯めることができるよう、サポートしてあげましょう。若い世代のほうが、節約上手が多いのです。

不必要な出費を注意する

まずは、不必要なものをうまく整理しましょう。言われるままに保険に入ったり、金融商品を買っていたりする場合、本当に必要なもの以外は解約してしまいましょう。また、親世帯は、ネットやスマホなどの契約に弱い人が多いです。そのため、一番高いプランに入ったままになっていたりすることも。格安スマホなども利用すれば、一気に節約ができそうですよね。

親世帯は、横のつながりを重んじます。地域社会において、それは大切なことかもしれません。ですが、それゆえに、必要のない物を買い続けているというパターンも。新聞や牛乳、電気製品など、ちょっとしたお金も積もれば大きくなります。人間関係が悪くならない程度に、それもチェックしてみましょう。

一番重要なのは「老後にお金がどのくらい必要か」を親が自分達で知り、納得することです。そのためには、プロの話を聞くのが一番です。ファイナンシャルプランナーの講演会などがあれば、積極的に連れ出してみましょう。

孤立させない

お金がないことだけではなく、頼れる人が身近にいない孤独が、老後の困窮を深めます。出歩いたり喋ったりすることがなくなると、認知症になったり、その他の病気になるリスクも高まるのです。

一緒に住むことが無理なのであれば、月に何度か顔を出してあげましょう。それが難しい距離なのであれば、今はオンライン技術が発展しています。親にパソコンやスマホを教えてあげて、スカイプなどで顔を見ながら話すことができれば、きっと喜びます。

世間話をよくしていれば、変な勧誘や詐欺なども防ぐことが出来ます。文明の利器をつかって、親世代と上手に付き合っていけるといいですね。

まとめ

「下流老人」は誰にでもおこりうる状況です。とくに、自営業や農業など、国民年金しかない人たちにとって、それは差し迫っている脅威といえます。

親世代にその脅威を教えることで、貯蓄に興味を持ってもらいましょう。上手な距離を保って、明るく楽しい老後を親世代とともに目指していけるといいですね。

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