【指】身体の慣用句とその使い方・例文
今回は指を使った慣用句です。指って手足の末端にある部分で、ハシや鉛筆などの道具を使うには不可欠とも言えるパーツ。人間以外の動物のほとんどは、指はあっても指を使って何かをする…ということはできません。指を自在に動かせるって、実はなにげにすごいことだったりするんですよ!
というわけで、早速指に関する慣用句、見ていきましょう!
「指」を使った慣用句
指折り数える
カレンダーに印をつけた日まであと何日…と、指を折って数えることってたまにありますよね。そのように、指を折り曲げてひとつひとつ数えることを「指折り数える」と表現します。主に日を数えることに使われる慣用句ですが、それに限らず数字を数えるときなどに使えます。
指をくわえる
「指をくわえる」は、他人のことをうらやましく思いつつも、何もできずにいる状態のこと。実際に指をくわえているわけではありません。ちなみに私は指を加えて見ている側の人です。うーん、羨ましがられる側になってみたいものですね。
食指が動く(しょくしがうごく)
主に食欲が起きることを「食指が動く」と言いますね。それ以外にも何かしら興味・関心を持つときや、手に入れたくなる、といった時にも使われます。
触手が動く、ではなく食指ですので間違えないように!
指一本も差させない
他人を批判したり中傷するとき、指差しのジェスチャーをすることが多いですよね。しかし、そんなことは一切させないぞ、というのが「指一本も差させない」という慣用句です。
そんな人が身近にいてくれればどんだけ安心なことか…。
指を折る
「指を折る」は「指折り数える」とほぼ同じ意味となりますが、指を折り曲げながら数えるという意味。指を骨折したとかそういう意味ではないです。また、たくさんあるなかでも指を折って数えられるくらいに優れている、という意味でも使われます。これについては「指折り」としてよく使われますね。
指を切る
「手を切る」というと関係を断ち切る意味があるのですが、「指を切る」は全く別の意味となります。具体的には、遊女が客への義理立て・心中立てのために小指を切断することを意味します。
物理的に切っちゃうんです、スパッと。これは江戸時代の遊里風俗習慣などをまとめた「色道大鏡」の「第五 指切篇」にて使われています。
指を切ることで遊女でありながら男へ惚れてしまった時、人気がなく客引きで必死になっている状況のときに行われたそうで。現在なら切っても手術でくっつけることも可能ですが、当時はそのようなことは不可能ですから、切った指は二度ともとには戻らないわけです。
とはいえ実際に切ることはせず、作り物や首切り役人から死体の指を調達し、それを自分のものとして送ることもあったのだとか。まあ確かに自分の指を切るなんて嫌ですしね。
ちなみに、売れっ子の花魁は身請けしてくれる人が見つかったときに指がないとみっともない、とのことで指を切ることはなかったそうです。
指を差す
何かしらを指で「あそこだよ」とか「あれだよ」というように指し示すときに使われるのが「指を差す」ですね。「指を指す」とはならないので注意!また、陰口を言うことという意味でも「うしろ指を差す」などとして使われますね。
指を染める
「指を染める」は「手を染める」と同じく、何かしら物事をはじめる、着手するといった意味があります。後者においては最近は悪事を始めるといったニュアンスで使われることが多いですが、本来はニュートラルな意味です。
また、食べ物に指を付けてなめる、という意味も。
指を詰める
ヤクザなどが組織などに対し反省や謝罪、抗議などの意思表示をするときに行われるのが、「指を詰める」ですね。人に切ってもらうのではなく、刃物を使って自分で切断することになります。
自分で自分の指を切るなんて、想像するだけでも怖い世界ですね。ちなみに、指詰めが行われるのは小指や薬指がほとんどだそうですよ。
五指に余る
めぼしいもの、気になるものなどを数えていると片手じゃ足りないことってよくありますよね。そういったときに使われるのが「五指に余る」です。該当するものが5つ以上10未満辺りのときに使うとバッチリですね。
まとめ
はい、というわけで指に関する慣用句をまとめました。指は生きていく上では必ずしも無くてはならないものではありません。ただし、1本指がないだけでもものすごく不便な生活になることは想像に固くありませんね。
一般人工場勤めで事故により指を切ってしまった、なんて人もいるでしょう。業務中の事故は当然労災になります。
でも、普段の生活で指を切ってしまったら誰も保証はしてくれません。包丁だって刃物ですから、勢いよく指に叩きつけると結構やばいです。
ですので、そのような大きな怪我をすることなく日々を過ごせるよう普段から色々なことに注意・配慮して生活しましょうね!