【顔】身体の慣用句とその使い方・例文パート1

【顔】身体の慣用句とその使い方・例文パート1

今回は顔を使った慣用句をまとめていきます。口はかなり多かったのに対し、顔は40程度ですので意外と少ないのですが、どれも汎用性が高く日常でも使えるものばかりというのが特徴でしょうか。

一度は見たことがあるものが多いでしょうから覚えるのも簡単だと思います。というわけで、早速見ていきましょう!

「顔」を使った慣用句の使い方と例文

顔色を窺う(かおいろをうかがう)

「顔色を窺う」は表情から相手の気持ち、心情を知ろうとすることですね。機嫌が良いのか悪いのかといったことを知ろうとする時に使われます。

例文
あの子はよく人の顔色を窺うような仕草をする。大人の考えを読み取ろうとするのが早くないか?

顔を合わせる

「顔を合わせる」には会うという意味以外にスポーツなどの試合で対戦するといった意味で使います。世間体などが崩れて顔が合わせられない、といった使い方もされますね。

例文
あいつとはクラスが同じだからいつも教室で顔を合わせるが、何かにつけておちょくってくるので内心少しムカついてるんだ。

顔が売れる

多くの人に知られるようになったり、有名になることを「顔が売れる」と表現します。芸能人はえてして顔が売れているものなので、どこに行っても写真を撮られたり色々大変ですよね。顔が売れるよりひっそり暮らしたいです。

例文
商品を売る前にまず自分の顔を売る、それが営業マンの秘訣だ。

顔が揃う

催しなどの際、予定されていた出席者が全員でてくることを「顔が揃う」と言います。大人数よりも5~10人程度の顔と名前が全員わかる範囲で使われることが多いかもしれません。

例文
会議の出席予定者全員の顔が揃った。予定からは遅れたが早速始めよう。

顔が立つ

世間体や体裁が保たれることを「顔が立つ」と言いますね。「面目が立つ」と同じ意味。「顔」は世間体的な意味で使われることが多いというのを覚えておくと活用の幅が広がりますよ。

例文
教室に来た途端ずっこけるという恥ずかしい姿を見せてしまった。いつもクールに決めているつもりなのにこのままでは私の顔が立たない。

顔が潰れる

「顔が潰れる」は名誉や世間体が傷つけられるという意味の慣用句。自分ではどうにもできない力によって引き起こされた失態などでよく使われます。「顔に泥を塗る」と似ていますが、こちらは自分と相手の二人の間で使われる事が多いです。

例文
彼の部下の失態によって私の顔が潰れるようなことがあってはならない。彼にはきちんと部下の指導してもらわなければ。

顔が広い

「顔が広い」とは友人知人の交友関係が広く色々な方面にツテがあることですね。顔が広い人は大抵人付き合いも上手なのでちょっと羨ましいです。

例文
あの人は顔が広いフリをしているだけだよ。実際はほとんど知らない人ばかりなのに、なにを強がっているんだか。

顔から火が出る

「顔から火が出る」はよく文章で使う表現ですし、話し言葉としてもしばしば使われますね。意味としては恥ずかしさで顔が真っ赤になること。「面から火が出る」と同じ意味ですが、「顔」のほうが今風で使いやすいです。

例文
大事なスピーチで緊張してしまい、大勢の前でかみまくってしまった。これにはさすがの私も顔から火が出るほどだった。

顔に泥を塗る

「顔が潰れる」で少し触れましたが、「顔に泥を塗る」には恥をかかせるとか面目を失わせる、世間体を傷つけるといった意味があります。自分と相手の二者間での出来事で使われることが多いですね。

例文
あいつは取引先の社長に不快な思いをさせた。私の顔に泥を塗るような真似をしやがって、絶対に許さん。

顔に紅葉を散らす

この慣用句は若い女性に対して使われる表現で、恥ずかしさで顔を赤くするという意味です。文学的かつ風情たっぷりな表現ですが、普通の文章ではちょっと使いづらいですね。お酒を呑んで赤くなる時には使われません。

例文
あの少女は彼の問いかけに対し顔に紅葉を散らしつつ、小さな声で「はい」と答えた。

顔向けができない

恥ずかしかったり申し訳ない気持ちで相手に顔を向けられない、顔を合わせられない状態を「顔向けができない」と表現しますね。相手に顔向けできないほどの失態をすることは人生何度もあるものです。それをどう乗り越えていくかが大事ですよ!

例文
絶対に大丈夫だと言われていた試験に不合格となってしまった。一生懸命教えてくれた先生に顔向けできない…と思っていたら、先生の方からねぎらいの言葉をかけてくれた。

顔を貸す

頼まれて人に会う、あるいは人前に出るというときに使うのが「顔を貸す」という慣用句。ですが、すこし乱暴な表現なので中のいい友人くらいにしか使えないかも。

例文
昔なじみがうちに来て「ちょっと顔を貸してくれ」と言ったものだから渋々ついていくと、宴席の場に放り込まれた。なるほど今日は同窓会だったのか。

顔を作る

無理やりに表情を作る時に「顔を作る」と表現しますね。また、化粧をしたときにも使います。顔を作るというのは文字だけ読むと不思議ですが、メイクで顔が変わるのを目の当たりにすると「顔を作る」というのもしっくり来ます。

例文
飲み会の席で同僚が毎回面白くないギャグをして、そのたびに私達が無理やり顔を作ってフォローするのは定番の流れだ。

顔を出す

今まで出てこなかったものがひょっこりと現れたり、会合などの集まりに出席する、あるいは他人の家を訪問するときに「顔を出す」と表現しますね。用途が多く頻繁に使うのでしっかり覚えておくといいかも。

例文
子猫の時によくエサを与えていた猫が、久しぶりに庭先にひょっこり顔を出した。まだ私のことを覚えていたのかな?

顔を立てる

顔って作ったり出したり忙しいなと思うのですが、この「顔を立てる」は世間体や建前を保つといった意味がある慣用句。後輩が先輩、あるいは上司の顔を立てる、といった使い方をすることが多いですね。妻が夫の顔を立てる、という使い方をする場合も。

例文
先輩!昨日はは僕が顔を立ててあげたんですから、1杯くらい奢ってくださいよ!

顔を繋ぐ

何かしらのイベントや集会に出席して交友関係などが途切れないようにすることを「顔を繋ぐ」と表現します…。といっても、この慣用句はあまり見かけないので馴染みが薄いかもしれませんね。

例文
父は写真サークルにいたのだが、最近まで参加していなかった。しかし写真の楽しさを思い出したのか、顔を繋ぐ意味で最近また復帰したらしい。

顔を直す

「顔を直す」は主に崩れた化粧を直す時に使われる表現。せっかく顔を作ったのに崩れたら台無しですからね…頑張って直すという人もいるはずです。

例文
病院に来たが外ががあまりにも暑くて滝のような汗が額からでてきた。これは顔を直さないとおちおち診てもらうこともできない。

顔を見せる

「顔を見せる」は「顔を出す」と全く同じで、集まりに出席したり人の家に訪問する、隠れていたものが出てくるといった意味があります。

例文
あいつは今年も同窓会に来ないのかと思っていたら、急に顔を見せるもんだから驚いた。話を聞くに同窓会があったことすら知らなかったらしい。

合わせる顔がない

これも「顔向けができない」と同じで、申し訳なくて特定の人の前に出られないという意味があります。時と場合によって使い分けられるようになるとスマート!

例文
「せっかく大学に行かせてもらったというのに学ぶ気がないのか?そんなんじゃ親に合わせる顔がないだろ」と教授はやる気のない学生を見て不満をあらわにした

浮かぬ顔

「浮かぬ顔」は気分が沈んだり落ち込んだ表情のことですね。「浮かない顔」ということが多いです。表情も天気のように表現するのが面白いところです。

例文
浮かぬ顔つきでこちらを見てくるので何事かと聞いてみたら、買っている猫に噛みつかれたんだとか。そんなことで悩むあたりが子供らしい。

まとめ

はい、というわけで「顔」を使った慣用句パート1をまとめました。最初でも書きましたが、「顔」はパッと見てもよく見かける慣用句が多いですね~。

なので、見かけるだけでなく実際に文章中で使ったことがあるものもいくつかあると思います。慣用句や熟語って文章を書く中でガンガン使わないと自分の中でストックとして残らないのです。

覚えていても使い時がわからない、というのではもったいないですから、使い方間違ってないかな…?と怖がらずにたくさん使っていってもらえればなぁと思います。

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