【気】身体の慣用句とその使い方・例文

【気】身体の慣用句とその使い方・例文

身体を使った慣用句、今回は「気」ですね。

気というとなんだか目に見えない力、という印象が強いですが、日本語における気というのは「元気」などの生命力の強さや勢いの良さ、雰囲気や状況を表すときに使われることが多いですね。

主に精神面などで使われ、怪しいパワー系の意味はありません。気を使った慣用句においてもほとんどがメンタルに関するものになりますね。

というわけで、早速見ていきたいと思います。

「気」を使った慣用句

気も無い(けもない)

「気もない」には2つの意味があり、1つはそれらしい様子、気配がないなど。もう1つは、思いもよらない、とんでもない、といった意味ですね。「きもない」ではなく「けもない」と読みます。

使うにしても前者の意味として使うほうが、読み手としてもわかりやすいでしょうね。

例文1
彼は誰もがうろたえるような事態においても、少しも慌てる気も無い様子だった。

気勢を上げる(きせいをあげる)

何かしらの目的を持った仲間が集まり、物事を成そうと活気づいている様子のことを「気勢を揚げる」と表現します。

これから一旗上げてやりますよ!というときに活用するとかっこいい慣用句だと思いますね。

例文
起業して財を築くと誓った仲間同士、今日は居酒屋で気勢を上げるんだ。

気炎を揚げる(きえんをあげる)

「気炎」とは炎のような、熱く血気盛んで威勢のいい言葉のことですね。そしてそれを言うのが「気炎を揚げる」です。

これも「気勢を上げる」と同じようなシーンで使うのがベストと言えるでしょう。

例文
気炎を揚げて私達はその試合へ向けて準備を進めてきた。今日が運命の日だ。

気違いに刃物

「気違いに刃物」とは、非常に危険であることを意味することわざですね。常軌を逸した状態の人に刃物をを持たせることほど恐ろしいことはないですよね。何をしでかすかわかったもんじゃありません。そういったたとえの言葉となります。

ただ、「気違い」という言葉は使い所を間違えるとイヤな目で見られることは避けられないため、使い方にも注意が必要ですね。

例文
北の将軍に核ミサイルの組み合わせは、まさに気違いに刃物と言って差し支えない状態だ。

気脈を通ずる

気脈は血液の流れる道筋のことですが、人と人の間で交わされる感情や考えのやり取り、つながりのことも気脈といいます。

「気脈を通ずる」はそのような意思の疎通をひそかに図ること、という意味になります。

例文
気脈を通ずることで、私達はそれとなくお互いがどんな状況なのかを理解し、励ましあった。

気色あり(けしきあり)

この慣用句の場合、「きしょく」ではなく「けしき」と読むのが正解。意味としては3つあります。
一つは、人の気持ちや物事の気配について、それとなく表していること。
二つ目は少し変わっているとか、変わっていて面白い、という意味。
そして三つ目は普通ではない、怪しいという意味になりますね。

しかしこの慣用句は古文でしか使われていないですから、現在の作文などで使うのは難しいといえますね。

気色が悪い

触った感じや見た目が悪くて不快に感じたり、イヤな感じなことを「気色が悪い」と表現しますね。ただ若者の間では実際に気持ち悪いかどうかは別として、軽い気持ちで他人に言い放ってしまうケースも。

言われた方はかなりのショックになるので、他人の気持ちも考えて見て欲しいところです。

例文
この海にいるヌメヌメした生き物は、なまこっていうんだ。見た目も感触もすべてが気色が悪いだろ?でもこいつ食べられるんだぜ。しかも意外と美味いらしい。

気色覚ゆ(けしきおぼゆ)

「気色覚ゆ」も古文でのみ使われる表現になります。
意味は2つあり、一つは情緒が感じられる、面白いと思う、ですね。もう一つは、怪しい気配がするとか、不気味に思う、といった意味になります。「気色あり」とほぼ同じ使い方となりますね。いや、今現在では使うことはほぼ無いと思われますが…。

気褄を合わす(きづまをあわす)

「気褄」とは、気分や機嫌、気持ちという意味ですね。「気褄を合わす」の意味としては、相手に調子を合わせるというもの。

自分のことは二の次で、とりあえず相手に合わせておこう…というシーンで使うと効果的なのがこの慣用句なのです。

例文
先輩の言っていることは一言一句理解できない内容だったが、その場にいた全員が先輩の怒りを恐れて気褄を合わすことにした。

気味がいい

「他人の不幸は蜜の味」という言葉がありますが、この「気味がいい」という表現は、あまり好きでない他人の不幸を見て心が晴れやかになったり、スカッとする、痛快だという意味になります。

「いい気味」とも言いますよね。
勧善懲悪的な話の内容だと使いどころがわかりやすいかも。

例文
私にいつも嫌がらせをしてきた同級生は、高校に入ってからいじめられる川になったのだという。気味がいいと思ってしまう私は性格が悪くなったのだろうか。 

気味が悪い

不気味だとか、気持ちが良くない、イヤな感じがする、と言ったときに使われるのが「気味が悪い」ですね。人通りの少ない道や廃墟なんかはまさに「気味が悪い」場所の代名詞ですね!

例文
そのトンネルは数年前に廃止されたのだが、その理由を聞いただけでもなんだか気味が悪い。

気合を入れる

あることがらに集中して取り組むときの気持ちの勢いを「気合」と呼びます。精神を集中して物事にとりかかること、人をしかって気持ちを奮い立たせたりする、といった意味がありますね。

また体罰を加えるという意味で使われる場合も。

例文
気合が足りないからこんなところでへばってしまうんだ!目標をしっかり見据えて、ひとつずつ課題をクリアしていくのが大事だぞ!

まとめ

はい、というわけで「気」をつかった慣用句をまとめました。
最初でも書いたように、「気」は日本においては雰囲気てきな意味の強い漢字で、そのニュアンスが慣用句にも現れているなぁ~と感心しました。

個人的には「気合を入れる」という慣用句が結構好きですね。人には強要しませんが、自分に対しては割と精神論を使って発奮させたりします。

気合が足りないから早く仕上がらないんだー!とか。本当は問題を切り分けて考えないからできないんですけども。でもそういうときも、とにかく気合を入れて勢いをつけることで最後までやり通せるっていうのが好きなんです。

もし自分の好きな慣用句があれば、このように自分の印象をまとめてみると覚えやすくなりますよ!

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