2015年土用の丑の日はいつ?うなぎと梅干しの食べ合わせはNG!?
「土用の丑」といえば、うなぎの蒲焼。日本人なら誰もが、涎(よだれ)とともに連想するご馳走ではないでしょうか。真っ白いご飯の上に柔らかな身を横たえ、しっとりツヤやかに輝くうなぎは、味・香りともに日本食の王者。
うなぎを食べる日とされる「土用の丑の日」は、2015年はいつなのか気になるところ。さらに、「土用の丑」とは、そもそもどんな日で、なぜうなぎを食べるようになったのか?うなぎにまつわる、さまざまな疑問にお答えしていきます。
目次
2015年の「土用の丑の日」はいつ?
2015年は6回も訪れる「土用の丑の日」!?
結論からいうと、次のように6回あります。ふつう、「土用の丑の日」といえば、真夏という印象が強いですが、春夏秋冬、四季それぞれにあるのです。また、2回ある季節もあります。
[春] 4月19日(日)
[夏] 7月24日(金) 8月5日(水)
[秋] 10月28日(土)
1年に6回もウナギを食べる口実ができて「うれしい!」なんて声が聞こえてきそう。そこで、「土用の丑の日」について、もう少し深掘りしてみましょう。
まず「土用の丑の日」の「土用」とは?
陰陽五行説という言葉を聞いたことありませんか?映画で有名になった陰陽師「安倍晴明」を思い出す方もいらっしゃるかも。
中国から伝わった「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)」は、すべてのことがらを、木・火・土・金・水に分類。季節の春夏秋冬は、春は木・夏は火・秋は金・冬は水と割り当てました。
すると、うなぎに縁が深い土が見当たりませんね。そこで、それぞれの季節の変わり目、立春・立夏・立秋・立冬の直前18日間に「土」を当てはめ、「土用」と呼ぶようになりました。つまり、次の季節に移行する準備期間と考えられます。
つぎに「土用の丑の日」の「丑の日」とは?
「丑」は、子・丑・寅・辰・巳…の十二支のこと。十二支は、年だけでなく毎日どれかの干支が割り振られているのです。だから、丑の日は12日に1度、巡ってくるのです。カレンダーにも、ちゃんと出ていますよ。
そこで、「土用の丑の日」とは?
「土用」と「丑の日」の意味を合体させると……立春・立夏・立秋・立冬の直前18日間にある「土用」の期間中にある「丑の日」が、「土用の丑の日」となります。
年によっては、「土用」の期間中に「丑の日」が2回訪れることもあり、2回目の丑の日を「ニの丑」と呼びます。
なぜ「土用の丑の日」に、うなぎを食べるの?
コピーライター「平賀源内」説
諸説ある中、エレキテルの発明で有名な「平賀源内」が関わったとする、もっともポピュラーな説をご紹介します。
知り合いの「うなぎ屋さん」が、夏にうなぎが売れないのを見かねた源内さん。広告文案家・コピーライターの草分けらしく、「本日 土用丑の日」と店の前に張り紙を掲げたところ、大当たり。「土用の丑の日」にうなぎを食べることが習慣化したというのです。
また当時、丑の日に「う」の付くものを食べると夏負けをしない、との風習もうなぎのヒットを後押ししたといいます。瓜(うり)・梅干し・うどん・うさぎなどが食べられていました。
うなぎの旬、本当は冬!?
源内さんの知り合いのうなぎ屋さんが、夏場にうなぎの売り上げ不振に陥っていた理由。それは、うなぎの旬は冬だからなのです。
うなぎは寒い冬を乗り切るため、体に脂をしっかりと蓄えます。だから、冬こそ脂が乗りやわらかなウナギを食べることができるのです。
うなぎは栄養価に優れた食材
引用:カロリーSlism
うなぎは、動脈硬や高血圧、心筋梗塞などを防ぐ働きがある良質の脂質、ビタミン、脳のはらたきを活発にするDHAや血管を丈夫にするEPAなど、とても栄養価の高い食材。
夏バテを防ぐには、まさにぴったりの食べ物なのです。
うなぎと梅干しの食べ合わせはホントに良くないの!?
特定の食べ物を一緒に食べると、それぞれのもっている栄養素が相乗効果を高めたり、逆に打ち消しあったりします。それを「合食禁(がっしょくきん)」と呼びます。
うなぎと梅干しは合食禁の典型で、古くから言い伝えられています。実際、悪いとされる食べ合わせは、真実なのでしょうか?
良いとする論拠
うなぎの脂質と梅干しの酸味が刺激しあい、消化不良を起こすとされます。ところが、梅干しに含まれる酸味であるクエン酸が、うなぎの脂の消化を助けるので、通説とは逆に相性の良い食べ合わせなのです。
悪いとする論拠
食べ合わせが悪いとされる背景には、高級食材としてのうなぎや梅干しを過度に食べ過ぎることへの戒めと考えたほうがよさそうです。贅沢は禁物だと。
また、脂っこいうなぎと、さっぱりとした梅干しがあまりに美味しいから、食べ過ぎて腹痛を起こさないようにとの気配りもあるようです。
おわりに
日本人には古くから馴染みの深い、うなぎ。いろいろな名言や迷信が生まれてきたのも、味も香りもとびきり美味しく、ぜいたくな食べ物ゆえ。
ところが近年、うなぎの稚魚が乱獲などにより、絶滅の危機に瀕しています。美味しいうなぎの値段が今以上に高騰し、庶民の高嶺の花にならぬことを祈るばかりです。