【小学生向け】大人が教える読書感想文の書き方・オススメの本
小学校の長期休みに宿題として出されることの多い読書感想文。子どもたちにすると慣れない作業に「何を書いたらいいのかわからない」と悩みの種になっていることが多い宿題のひとつです。
今回はそんな悩めるお子様をお持ちのママ、パパに向けて、お子様に助言して頂けるような内容をまとめてみました。小学生と言っても1年生と6年生では読める本が変わってきますので低学年、高学年に分けてご紹介したいと思います。感想文大好きとまではいかなくても、何かを考えるきっかけになってくれると嬉しいですよね。
目次
低学年の子の読書感想文の書き方
低学年の子は文章を読むだけでなく、書くこと自体にも慣れていません。まずは読書を楽しくしてもらうことが大切です。楽しく読めた本ほどたくさん感想を書いてくれると思います。形式にはそこまでとらわれなくて大丈夫ですが、困っていて助言をかけるとするなら以下の点はどうでしょうか。
この本が読みたくなった理由
最初の出だしにとまどっているのならコレ。理由はなんでも良いんです。ママに薦められたから、表紙が可愛かったから、題名が気になったから・・・。お子様の好みが見えてくるかもしれませんね。
誰が何をしていたか
主要な人物は最初から最後まで出てきますのでその人物がどんな人なのかを書きます。例えば、後ほど紹介しますが「すてきな三にんぐみ」では泥棒が主要な人物です。黒いマントにラッパ銃を持っていて、馬車を驚かし宝物を奪っています、など説明できると良いですね。「この人は悪者?何をしてるの?」など誘導してあげても良いでしょう。これは絵本なので見たまま「すごく大きい帽子をかぶっている」なども書いてくれるかも知れません。
面白かったこと、悲しかったこと
物語の中で好きな場面を説明してもらいます。「すてきな三にんぐみ」なら、「三人がみなしごを集めてくるところが好きです」と言った感じで自由に書かせましょう。お手本じゃないので「馬車を襲っているところが面白かった」など書いても書き直させなくても大丈夫です。
なぜそう感じたのか
上記のようになぜ思ったのかを尋ねてみます。「本当は三にんはやさしい人だったから」「強くて格好いいから」など理由を書いてもらうと良いですね。
この本を読んで気付いたこと、見習いたいこと
親としてはここが一番気になるのではないでしょうか。「私も人にやさしくしようと思った」など書いてくれると嬉しくなりますね。ただし新しい発見が無いと言われてもめげないようにしましょう。最初の頃は誘導してあげても良いと思います。
低学年の子にオススメの本
上で例に出しました「すてきな三人ぐみ」は、泥棒三人が悪いことをしていたのですが、ある女の子を誘拐したことで素敵なことをするようになるお話です。
多くの子供から絶大な人気を誇っているのがこちら「王さまと九人のきょうだい」です。見た目がとても似ている九人の兄弟が、自分の特技で意地悪な王様をやっつけるお話です。
次は兄弟の誰が何をしてくれるのかワクワクしながら読みすすめられます。絵は「スーホの白い馬」でもお馴染の赤羽末吉さんです。どの赤ん坊がどの特技を持っているのか絵を見て推測してみるのも楽しいですよ。
「ルゥルゥおはなしして」は最近の新刊です。
三つのお話が入っており、読書初心者さんにもおすすめかと思います。ルゥルゥという女の子がお人形たちにお話を聞かせてあげるのですが、自分たちが主役のお話を作って話してくれるので人形たちも大喜びです。
考えさせられるお話ならこんな本もおすすめです。「あたまをつかった小さなおばあさん」は何かあるたびに考えて実行します。ただし、それが必ずしも成功するとは限らないところがポイントです。
失敗しても考えて乗り越えていく姿勢を学べます。おばあさんが何をするのか気になるので読み進めやすいと思います。大人でも考えさせられるお話です。
「エルマーのぼうけん」は国語の教科書にも載っていましてよね。(現在はどうなんでしょう・・・。)冒険もののワクワク感やドキドキ感が好きなお子さまならこちらがおすすめです。
シリーズも沢山出ていますので一度好きになればしばらく読み続けることが出来ますよ。絵も可愛らしくて私も大好きなシリーズです。
子どもが大人をやっつけるのが痛快な「大どろぼうホッツェンプロッツ」は少しおバカな泥棒と賢い二人の子供のお話。
少し長編で読みごたえを求めるならおすすめです。魔法使いなども出てくるのでファンタジー好きのお子さんも楽しめますよ。
高学年の子の読書感想文の書き方
高学年なので少し文章を書くのには慣れてきたかな、という時期ですね。でもまだまだ書くことにこだわり過ぎるよりも、楽しく読んで欲しいと感じる年代です。ただ少しずつそれなりの文章も書けるようになってきますので助言をするのであれば以下の点を教えてあげて下さい。
この本を読もうと思ったきっかけ
低学年のときも書きましたが出だしが難しいと感じる子は多いです。「こんな理由で読みました。内容は~」とつなげやすいのではないかなと感じます。
簡単に本の紹介
高学年にもなるとあらすじとまではいかなくても、本の内容が説明できる子が多くなってきます。
字数稼ぎで書く子もいますが、他の子がこの感想文を読んだときに面白そうな本だなと感じられるように書けると良いですね。イメージとしては、友達に教えてあげたい内容を書くと良いでしょう。
印象に残ったことについて自分がどう感じたか
これは書きやすいと思います。どこが面白かったのか、びっくりしたのか、嫌だったのか・・・。
低学年とは違い、なぜそう感じたのかも上手に書けるようになっているでしょう。
何が伝えたかった本なのかを考えてみる
この本を読んで、著者は何を伝えたかったと思うのか聞いてみましょう。
正解なんてありませんし、自分で考えることに意味がありますのでいっぱい考えさせてあげましょう。だんだん多くのことに気を留められるようになると思います。
本を読んで学んだこと
自分も見習いたいところや、しないように気を付けたいことを書いてもらいます。真面目な解答ばかりではなく「こんな遊びは楽しそうだからやってみたい」などの気付きも大切だと感じます。
高学年の子にオススメの本
高学年になると、少し長編で読み応えがあるものが、どんどん物語に入り込んでいけるのでおすすめです。
「ライオンと魔女」はファンタジーとしても楽しめますし、壮大な世界にはまれば時間軸の異なる続編もおすすめです。
聖書を基盤に書かれていますので大人が読んでもなるほどと思えるお話です。とっても有名なお話なので知っている人の方が多いかも知れませんね。
読書が苦手な子なら、ディズニーでも有名な「ピーター・パンとウェンディ」は親しみをもって読み始められそうです。
ディズニーとは展開が違いますからそのことでもいろいろ考えられるので感想文も書きやすいかも知れませんね。
同じく馴染みやすい本として、ジブリ作品の原作「魔女の宅急便」もおすすめです。アニメとはストーリーの筋はあまりぶれないものの、やはり原作ならではの事件が起こるので面白いですよ。また原作には6巻まで続きがあり、キキも大人に成長しますので長く楽しむことも可能です。
物語だけど現実っぽいリアルさがハマる「シャーロック=ホームズの冒険」はミステリー好きには特におすすめです。
ホームズの他にも探偵ものは推理によるどんでん返しがあるので面白いです。推理小説は作者によって謎の質も変わってきますので楽しいですよ。
「大きな森の小さな家」は自伝です。森の中で不自由さを感じさせずとても楽しそうに過ごす一家の物語です。自分もこういう環境で暮らしてみたいなと思わせてくれ、都会ではなかなか触れられない生活を知ることが出来、心が豊かになる物語です。こちらもシリーズは9巻まで続きます。
私が全国的に推薦図書の代表だとも感じているのが「モモ」です。
メインである時間泥棒に時間を盗まれるまでが長い、と初めて読んだときに思ったりしましたが、それまでにも時間の大切さ、ものごとの考え方など、大切なことが沢山書かれています。
非常にゆっくりした時間を過ごさせてくれる本です。ただ読書初心者さんには、物語のテンポがゆっくりなので入り込む前に飽きてしまうかも知れません。
かくいう私は本好きの母親のもとで育ちましたので、絵本時代からそれなりの本を読んできました。おすすめの本が有名作品、しかも私好みの海外著者のものに偏ったかな?とも思いましたが、どれも面白く一度は読んで欲しいものばかりです。本が苦手な子にはファンタジーだと本の世界にも入りやすいかと思います。また、作文にも書きやすい内容だと思います。
読むのが楽しくなると伝えたいことも増えてくるので、感想文もそこまで苦にならなくなります。読みたい本が無い場合は、有名な本から読破していくのも楽しいですよ。自分の好みの傾向がわかるとさらに感想文もはかどります。本を好きになるのが一番の近道であると感じます。