【爪】身体の慣用句とその使い方・例文

【爪】身体の慣用句とその使い方・例文

今回は「爪」を使った慣用句をまとめていきますよ。人は爪があることで指先を保護し、力を入れたり上手に歩けるようになるわけですが、動物にとっての爪は狩りに使う「鉤爪」や歩行の補助を行う「蹄(ひづめ)」など非常に重要度の高いパーツとなっています。

爪を使った慣用句はぶっちゃけ少ないので、覚えようと思ったら全部覚えられるはずですよ!というわけで、早速見ていきましょう!

爪を使った慣用句

爪に火をともす

「爪に火を灯す」とは、極端な倹約ぶりのことを例えていうことばですね。

例えば、お茶パックを3回位使うとか、パンツや靴下に穴が空いても気にせず使う、もしくは縫い合わせて使い続ける…障子が破れても張り替えない…などなど、人から見たら結構極端な節約ってあると思うんです。

そういった暮らしぶりを見たときに使うと効果的でしょう。また、物惜しみをしてケチるさまのこともこの言葉で表せます。

例文
彼の服装を見てみろ、穴の空いた靴下に年季の入ったシミがついたシャツ、装飾の落ちた靴…爪に火をともすような生活ぶりが見てくれからわかるだろう。実あはれで結構な資産家なんだぞ。

爪を研ぐ

「爪を研ぐ」は獣などの動物が伸びた爪をみがくという意味の他に、獲物が来るのを準備して待ち構えることという意味もあります。動物の場合は猫の爪とぎなどがよく見る光景でしょう。

例文
次のチャンスが巡ってくるまで、私はひたすら爪を研ぐことで自分のモチベーションを高めてきた。今がちょうどその時だ。

爪で拾って箕で零す(つめでひろってみでこぼす)

これは慣用句というよりもことわざですね。コツコツと蓄えてきたものを、一度で使い果たしてしまうという意味があります。ドキッとした人もいるんじゃないでしょうか?私も見に覚えがあるのでチクチクと胸が痛みます…!

長い苦労で得た成果(お金)を一瞬でパーにしてしまった時のやるせなさ、徒労感は並大抵の言葉では言い表せないものがあります。

ですので、そのようなことがないように、うまい話には裏があることを肝に銘じて生活してほしいなと思います。

例文
数年間の苦労の末ようやく300万円貯金ができたが、車を買ったら一瞬で無くなってしまった。爪で拾って箕で零すとはよく言ったものだ。また明日から頑張るしか無い。

爪に爪なく瓜に爪あり

「瓜」と「爪」って、漢字が似ていて間違いそうですよね。なので、その字画の違いを伝えるための慣用句が「爪に爪なく瓜に爪あり」です。

他にも「間」「問」「聞」とか「眠」「眼」なんてのは似ているので、文脈を追っていかないと間違えそうです。外国人が日本語で困惑するのも、こういった似た漢字が多いというのも一つの要因だとか。

例文
爪に爪なく瓜に爪ありと説明したところ、今度はその意味について「爪と瓜に何の関係があるんだ?」と質問されてしまい説明に苦慮した。

爪の長い

「爪の長い」は非常にケチでかつ欲が深いことをあらわす慣用句ですね。「爪に火を灯す」ために爪を長くする、といった意味もあります。もちろん、ただ単に爪が長いさまとしての意味もあります。

爪が長いことって実際それほどメリットがあるわけではないです。むしろ、爪が割れて服に引っかかったりすることが多いので、伸びすぎた爪は早く切っておくことをおすすめしますよ。

例文
あの人は会うたびにお金がどうのこうの、という話ばかりをするので正直疲れる。昔はあんなに爪の長い人ではなかったのだが。

爪を隠す

「爪を隠す」は割と頻繁に使われる慣用句で、自分の才能や実力を表に出さないことをあらわします。良く「能ある鷹は爪を隠す」と使われますね。

なぜあえて自分の実力や才能を隠す、あるいは謙虚にするのかと言うと、いらぬトラブルに巻き込まれたり、他人からの嫉妬、それによる嫌がらせなどを避けるためかと思われます。

大抵実力のある人は謙虚だったりあまり前に出たがらないですからね。そういった意味でリスク管理もできる非常に賢い人なんだと思います。

例文
あの起業家は勢いで色々な人にアプローチしているが、良い返事がゼロなんだとか。そろそろ爪を隠すことを覚えなければならないのではないか。

爪の垢を煎じて飲む

爪の垢を煎じて飲む、なんて表現よく思いついたなと感心するばかりですが、これは頭がいい人・賢い人の言動を真似して少しでもあやかれるようにしろ、というたとえです。実際に爪の垢なんて飲んだらダメですよ。

例文
お前はもっと努力することを覚えるべきだ。お前の後輩は学生時代ダブルスクールで税理士を目指したと言っていたな。そいつの爪の垢を煎じて飲んだほうが、少しはマシになるんじゃないか?

小爪を拾う

小爪とは爪の切り屑のことですが「小爪を拾う」の意味は、ほんの少しの言葉じりをとりあげて批判することですね。言葉のあやくらいのものでも、なんだかんだと批判してくる人はいますよね。そういったときに使われるのが「小爪を拾う」と覚えておきましょう。

例文
君は今「できると思います」と言ったよね、小爪を拾うようで悪いけど可能性を数字できちんと示してくれないと困るよ。

まとめ

はい、というわけで「爪」を使った慣用句をまとめました。爪に関する言葉は能力に関するものとケチ具合に関するものに2分類されましたが、他の場所だともっとバリエーションあるんですけどね。もう少したくさんあればよかったのですが。

爪は生きていく上ではそれほど重要というわけでもないのですが、それでもあるのと無いのとでは全然違いますからね。私は一度薬指の爪が全部剥がれるようなケガをしたことがありますが、あのときは本当に大変でした…。

とにかく、爪って意外と大事なパーツですので、伸ばし放題にするのではなく適度に爪を切って長さを保つようにしましょうね!

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