【口】身体の慣用句とその使い方・例文パート1

【口】身体の慣用句とその使い方・例文パート1

さて、ここでは身体-口に関する慣用句をまとめていきます。今回はパート6まであるのですが…多いですね。口に関する慣用句は100以上あるのでそうなるのですけども。まあでも目や手はもっとたくさんあるので、よほど昔の人は身体に関する慣用句を使っていたんでしょうかね。

それでも死語のように現在では使われない慣用句もいくつかはあるはずです。
というわけで、早速パート1を見ていきましょう。

口を使った慣用句とその使い方・例文

開いた口が塞がらない

「開いた口が塞がらない」とは呆れ果てて呆然としてしまう様、あっけにとられてしまう様を表現する慣用句。

思わぬ出来事に思考停止してしまうことってないですか?絶対できると思っていたことに失敗したり、負けるはずがないと思っていた試合で負けたり…。そんな時に使うのがこの慣用句です。

例文
ライブドア株は絶対に上がると思っていたのに、気がついたときには暴落していた。

口裏を合わせる

お互いに相談して話の辻褄があうようにすることを「口裏を合わせる」といいます。どちらかと言うと後ろめたいことがあるときに使う言葉でしょうか。

公にできないことを隠す時に口裏合わせを行われる事が多いです。

例文
嘘がバレるのを恐れて僕たちは事前に口裏合わせをしておいたんだ。そうしたら誰もウソに気づかなかったからちょっと驚いたよ。

口がうまい

「口がうまい」とは話が非常に巧みであることを表現した慣用句です。口がうまい人は営業マンとしてバリバリ活躍できるでしょうが、口だけでは他人に迷惑をかけるだけなので俯瞰的な視点ももちあわせているとなおよしですね。

職人肌の人は口下手な人が多いイメージですが、誰しも話す練習をすれば口はうまくなるので、口下手な人はもっといろいろな人と話すようにするといいでしょう。もっとも、口がうまいとは丸め込むのが上手いということの例えでもあるのでイメージはあまり良くないですが。

例文
彼は口がうまくどんな客でも最終的には自分のファンにしてしまうので、いつも営業成績はトップだ

口がうるさい

何でもかんでも批判したり非難することを「口がうるさい」と表現します。

歳を取ると色々な知識が増えてきて、なんだかんだ口を出したくなることってありませんか?お年寄りが何かにつけて「●●はダメだ」「ワシが若い頃は…」みたいに言うのは聞き飽きた話です。

例文
うちのおじいさんはすぐに昔話を持ち出して「ワシの若かった頃はな…」と口がうるさいので最近は聞き流してばかりだ。

口が奢る(くちがおごる)

「口が奢る」とは、美味しい食事ばかりを食べているという意味。同じ意味の慣用句として「舌が肥える」がありますね。

口が奢るほど贅沢なものばかり食べてみたいものです。

例文
彼女はお嬢様育ちだから口が奢っているのかと思っていたが、意外と家庭的な料理も好きらしい。

口が重い

「口が重い」とは無口だったり口数が少ないことを意味します。また、言いにくいことだったり言うのをはばかる事を口にするときに使いますね。

例文
冷蔵庫に入れてあったプリンが妹のだとは知らず、食べてしまった。謝らないとと思うと口が重い。

口が掛かる

人から誘われたり、芸人が客から招待されたりした時に「口が掛かる」と表現します。「声が掛かる」でもほぼ同じ意味となりますね。

例文
あの舞台に立つことは彼女にとって長年の夢だったが、ついに主役として口が掛かった。

口が堅い

「口が堅い」とは、秘密を軽々しく人へ漏らさない、話さないことを表現した言葉。対義語として「口が軽い」があります。

例文
うちの叔父は口が堅いので、両親にできない相談をたまにすることがあり、的確なアドバイスをくれる。

口が腐っても

「口が腐っても」とは秘密などを絶対に漏らさないという決意を表現する言葉。同じ意味で「口が裂けても」使われます。口が堅いよりも強い表現なので、絶対に言わないという時に使える表現ですね。

例文
ろくに働きもしないオジサンに見える彼が、実は大物資産家であることは口が腐っても口にできない。

口が過ぎる

「口が過ぎる」の意味は、言ってはいけないことを言い過ぎること、失礼なことを言う、などです。人に向かって言うべきではないこと…以前の失敗を掘り返したり、自分ではどうにもできないことを指摘したり…など言いすぎてしまった場合につかう表現ですね。

例文
あのタイミングで彼女が傷つく事を言うなんて、あまりにも口が過ぎるんじゃないか。

口が酸っぱくなる

大事なことだから何度も繰り返して言うこと、しつこく言う様のことを「口が酸っぱくなる」と表現します。
繰り返し注意したのに失敗した時や、何度注意しても足りないときに使うと効果的です。

例文
あれだけ口を酸っぱくして言ったのに、あの子は全然ゲームをやめようとしない。そろそろ取り上げる時期かしら。

口が減らない

「口が減らない」とは、ど正論で言いくるめられているのにもかかわらず、あれやこれやと理屈を並べて言い返す様を表現した言葉。屁理屈や減らず口を言うことですね。

例文
彼女は彼に真っ向から対面して意見を述べたが彼の方が正論だった。彼女は口が減らなかったが僕には苦しい言い訳にしか聞こえない。

口が曲がる

曲がった口というとひょっとこを思い浮かべるかもしれませんが、「口が曲がる」の意味は尊敬している人や恩がある人の悪口を言うことですね。なんでも、そのようなことをするとバチが当たって口が曲がると言われていたそうです。

いずれにしても人の悪口なんて言うもんじゃないですよ。

例文
キミは彼に大きな恩があるじゃないか。そんなことばかり言ってると口が曲がるぞ!

口から先に生まれる

人が生まれてくる時は基本頭からなのですが、その中でも口から先に生まれたんじゃないかというのがこの慣用句。まあ実際にそんな事はないのですが、意味合いとしてはよく喋る口達者な人に対してのあざけり表現です。

黙っている時間の方が少ないというくらい喋っている人に対して使うと効果的でしょう。ただしあざけっていう言葉ですので使い所には注意!

例文
あの人は仕事中喋ってばかりいるので口から先に生まれたんじゃないかと思うほどだが、お客さんがくるとたちどころに仕事モードに変わる。

口が悪い

「口が悪い」というのは非常によく使う表現ですよね。意味としては憎まれ口をきくくせがあるという言葉。
人の悪口や批判ばかりしているような口の悪い人が近くにいるだけで気が滅入るものですが、そういった場所にいると無駄なストレスがたまるので、たまにはリフレッシュした方がいいですよ。

例文
彼は口も悪いしすぐ手が出る性格なので、周りの生徒からはあまり好かれていない。

口車に乗せる

「口車に乗せる」とは、騙すことを目的に巧みな話術を使うことを言います。詐欺師に騙された時「あいつの口車にまんまと乗せられた」などと表現することがありますね。

「口がうまい」と似ていますが、「口車に乗せる」には騙すニュアンスが含まれるので悪質です。

例文
言葉巧みに詐欺師の口車に乗せられ、ワケのわからないツボを買ってしまったのがうちの父だ。

口に合う

「●●に合う」というと自分の好みに合致しているということを表現するのですが、この「口に合う」だと自分の食事、飲食物が好みに合っているという意味になります。

例文
昔はジャンクフードばかりを食べていたのだが、30代になってからは妻の作る家庭料理が一番俺の口に合う。

口に出す

言うべきことか、言わざることか…言葉を詰まらせてしまうことってありますよね。それでも勇気を出して言葉にするようなシーン、あるいはとっさに出てきた言葉などで「口に出す」は使えます。

「口を出す」だと別の意味(分を越えて意見を言う)になるので注意!全然アダルトな意味じゃないぞ!

例文
失敗を問い詰められてとっさに口に出した言葉は「ごめんなさい」だった。

口に上る(くちにのぼる)

「口に上る(または口の端に上る)」はあまり聞かない表現かもしれません。うわさになるとか、話題になるといった意味がありますが、普通に「話題にのぼる」といえば伝わるのであえて口を使う必要は無いような気もします。

例文
山中教授のips細胞の持つ大きな可能性は医学界だけでなく、私達のような市民の口にも上ったほどだ。

(言う)口の下から

この表現もあまり聞かないのですが、「口の下から」とは言い終わるか終わらないかのうちに…という意味があります。

例文
「もう愚痴なんて言うの止めるわ」と言う口の下から「俺ってなんでこうなんだろう」と愚痴がこぼれてきた。こいつはどんだけ不遇な待遇で働いているのか。

まとめ:

というわけで、口に関する慣用句パート1をまとめてみました。身体に関する慣用句でもよく使うものとそうでないものって結構差があるのですが、口に関する慣用句はどちらかといえば使えるものが多い印象です。

まだまだたくさんあるので、次のパートもぜひチェックしてみてくださいね!

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