お葬式の前に!お焼香の仕方と回数・作法やマナーまとめ
人が亡くなると、その死を弔うために通夜や葬儀が催されます。近い身内でない限り、ほとんどの訃報は突然舞い込んできます。
通夜や葬儀は通常、逝去から3日以内に執り行われます。突然の知らせにお香典や喪服の準備で慌しくなる一方、お焼香の仕方に悩む方も多い事でしょう。
そこで今回は、突然の訃報に慌てないため事前に確認しておきたい「お焼香の作法やマナー」をご紹介したいと思います。
お焼香の仕方や回数などもご説明致しますので、お葬式に参列する際のご参考にして頂ければと思います。
お焼香とは?
お焼香とは、仏式の通夜や葬儀・法事などの際にお香を焚く事です。葬儀などではお線香をあげるのではなく、お香を焚く事が一般的となっています。
このお焼香では「抹香(まっこう)」と呼ばれる粉末状のお香を「香炉(こうろ)」で焚いて拝みます。その香りによって邪気を祓い、心身やご霊前を清め故人の冥福を祈る役割を果たしています。
お焼香-順番について
お焼香は僧侶が読経(どきょう)を終えたあと、故人と縁が深かった順番で執り行います。喪主や遺族、親族、参列者の順に行うのが一般的な流れです。
参列者は前から順番にお焼香して行きますが、式場に2~3の香炉が準備されている場合も少なくありません。いづれにせよ、係りの方の誘導に従いましょう。
お焼香-基本作法について
お焼香の作法は、宗派によって若干異なります。基本的な作法は、次のようになっていますね。
- 右手の「親指」「人差し指」「中指」3本の指で抹香を少量つまむ。
- 手を返して目の高さまで指を上げる。(これを「おしいただく」と言います。)
- 香炉の上に手を戻し、指をこすりながら抹香を香炉に静かに落とし入れる。
- これを1~3回繰り返す。
出典:翼セレモニー
お焼香-回数について
お焼香は、先ほど紹介した手順で1~3回繰り返します。その際、このお焼香の回数にお悩みの方も多い事でしょう。ちなみにお焼香の回数は、宗派によって異なります。
ご自身と故人の宗派が異なるケースもあるでしょう。その場合、お焼香の作法を故人の宗派に合わせるべきか、ご自身の宗派で行うべきか悩む場合もあると思います。
結論としては、いづれの方法でお焼香しても問題はありません。お焼香で最も大切なのは、故人を弔う気持ちです。特に信仰している宗教がないのであれば、主催者側の宗派の作法に合わせましょう。もし強く信仰している宗教があるのなら、その宗派の作法でお焼香しても何ら問題はありません。
あなたの気持ちが伝わって、故人が成仏されると良いですね。
お焼香-仕方について
ここまで、お焼香についての基本的な作法についてご説明致しました。実はお焼香には、大きく分けて3つのパターンがあります。次に、それぞれのお焼香の仕方についてご説明したいと思います。
立礼(りつれい)焼香
この立礼焼香は、最も一般的なお焼香の仕方です。その名の通り、立っている状態でお焼香を行います。斎場など椅子式の式場で多く利用されているスタイルですね。
この立礼焼香を押さえておけば、どんなお焼香スタイルにも対応出来ます。この立礼焼香の手順は、次のようになっていますね。
- 順番が来たら、周囲に黙礼し席を立つ。
- 焼香台の2~3歩前で、遺族と僧侶に一礼する。
- 焼香台の1歩前で、故人の遺影に合掌・礼拝する。
- 焼香台へ進み、お焼香する。
- お焼香を済ませたら、遺影に向かって再度合掌・礼拝する。
- 遺影を向いたままの状態で2~3歩下がる。
- 遺族に一礼して、席に戻る。
合掌(がっしょう)とは手を合わせる事です。礼拝(らいはい)とは、ここでは一礼する事と考えて良いですね。これらを総合すると、次のようになります。
座礼(ざれい)焼香
座礼焼香は、畳敷きの式場で多く用いられるスタイルです。お焼香の仕方は、立礼焼香と何ら変わりはありません。しかし立礼焼香と大きく異なるのは、座ったままの状態で移動しお焼香をすると言う点です。
座礼焼香では、焼香台まで移動する際の作法が最も大切です。この移動方法を「膝行(しっこう)・膝退(しったい)」と呼びます。
「膝行・膝退」とは、床に膝(ひざ)を着いたまま立ち上がらずに移動する作法です。腰を落としたまま両手を使い、少しずつ移動して行きます。
焼香台まで進んだ際のお焼香の仕方は、立礼焼香と同じです。ただし、きちんと正座してお焼香する事を忘れないようにしましょう。
回し焼香
自宅で通夜・葬儀を執り行うなど、式場が狭い場合に利用されるのが回し焼香です。立礼焼香・座礼焼香と大きく異なるのは、自分で焼香台に行かないと言う点です。
お盆に乗った香炉が回って来ますので、黙礼して受け取ります。そしてスペースがあれば自身の前に置き、お焼香します。スペースがなければ、膝の上にお盆を乗せます。お焼香を終えたら、隣の方へお盆を渡しましょう。
お焼香-数珠と合掌について
数珠は左手に持ちます。合掌する時には、房が下に来るようにして数珠を親指と人差し指の間にかけましょう。
さて今回は、お焼香の仕方と回数・作法やマナーについてご紹介致しました。突然の訃報に慌てないためにも、是非この記事をご参考にして頂ければと思います。