去る9月5日、環境省はミドリガメを特定外来生物に指定する方針を明らかにしました。
あれ？ミドリガメってそもそも外来生物だったの？っていう人が多いと思うので、
ちょっとミドリガメについて調べてみました。

ミドリガメの生態ってどんなものなの？

ミドリガメの正式名称はアカミミガメといい、原産国は北アメリカになります。水の流れが緩やかな河川や湖に生息していて、水性植物が多く茂っているところを好むようです。

主な餌となるのは植物の葉や水草などのようですが、カエルや蛇、昆虫や貝類も食べるようです。実は雑食なんだそうです。意外ですよね。

 

特定外来生物ってなに？

で、このミドリガメがなんで特定外来生物に指定されたのかがきになると思いますが、

特定外来生物とはなんなのかをざっと見ておきましょう。

特定外来生物とは：

在来の生物を補食したり、生態系に害を及ぼす可能性がある生物。渡り鳥に付着して流入する植物の種や、海流にのってやってくる魚などは含まない。

出典：http://kotobank.jp/word/%E7%89%B9%E5%AE%9A%E5%A4%96%E6%9D%A5%E7%94%9F%E7%89%A9

例えば、以下の様な動物が特定外来生物の一例になります。

アライグマ

2005年に特定外来生物に指定。原産国は北米。元々日本には生息していなかったのですが、「あらいぐまラスカル」の人気で日本に積極的に輸入されるようになったんだとか。

しかし、アニメの最終話で「動物は自然で暮らすのがいちばん」といったような表現があったため、ペットとして飼育されていた個体も少なくないそうです。

雑食かつ繁殖力が強いので生態系に与えるダメージは大きいそうです。また、農作物にも被害を与え、2009年の農業被害は全国で約2億8千万円になったそうです。

可愛い顔したギャングですよコイツ。

 

カミツキガメ

アライグマと同じく2005年に特定外来生物に指定。昭和初期にアメリカから展示用に輸入されたのがきっかけで、後に大量に輸入されるようになったんだとか。

日本の侵略的外来種ワースト100にも指定されているようで、結構深刻な被害をもたらしているようです。

大きくなりすぎて飼育することができなくなった人が自然に放したことで爆発的に繁殖したようです。環境適応能力が高く、非常に獰猛な性格なので駆除対象となっています。

成長したカミツキガメはガメラのようです。マジで。

 

ウシガエル

2006年に特定外来生物に指定。元々は食用としてアメリカから輸入したのがきっかけだったようですが、養殖された個体が自然界に逃げ出してしまったんだそうです。

大型かつ食欲旺盛のようで、在来種のカエルや昆虫を捕食しているようです。クサガメも捕食していたとか。ちなみに、ウシガエルの餌として同時に輸入されていたのがアメリカザリガニのようです。

アメリカザリガニ自体も特定外来生物に指定されています。余談ですが、このウシガエルは脂身が少なく鶏肉のような味だそうです。

例え鶏肉味でも食べたいとは思わないよ。

 

ブルーギル

2005年に特定外来生物に指定。原産国はアメリカ。非常に強い繁殖力で日本全土に幅広く分布している淡水魚です。

釣りの経験がある人は確実に知っているはず。元々は1960年台に明仁親王が食用としての研究のために、アメリカのシカゴ市長から寄贈された魚でした。

そんな経緯があったため、「おめでたいプリンスフィッシュ」として全国各地の湖に放流されました。しかし、それが現在に至って生態系に深刻な被害をもたらしているため、明仁親王は「このような結果になったことに心を痛めています」というコメントを残しています。

味は鯛に近いらしいですが、調理されることはあまりありません。

 

ヌートリア

2005年に特定外来生物に指定。原産は南アメリカ。1939年に軍隊の防寒服用として輸入され、飼育されていました。

しかし、第二次大戦終戦後に毛皮の需要が激減したことによって野外に放たれた事を皮切りに野生化しました。日本の侵略的外来種ワースト100だけでなく、世界の侵略的外来種ワースト100にも選ばれていて、甚大な被害をもたらしています。

特に日本では農作物への被害や田んぼのあぜを破壊してしまうとして害獣として扱われています。繁殖力が高く、駆除しても一向に個体数が減らないため、岡山・兵庫・島根の3県は手を焼いているそうです。

アライグマ同様、可愛い顔したギャングです。

 

特定外来生物に指定されると飼育が違法になるの！？

さてさて、これらの特定外来生物なのですが、飼育はご法度になります。違法です。

※違法です。（大事なことなので2回言いました）

特定外来生物を飼育したり野外に放逐した場合、

3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられることになります。

ミドリガメが特定外来生物に指定されたら、今まで飼育していた人はどうするんでしょうね？

やっぱり指定前に野外に放しちゃうんでしょうか。

人間の都合でペットにされ、捨てられ、特定外来生物として駆除対象になったりしてしまうのは、

なんとも言い難いところではあります。過去の歴史を振り返れば全て人間の身勝手が元凶となっていることばかり。

つくづく人間の身勝手さには呆れてしまいますね。

以下ツイッター民の声

まあ当然というか、遅過ぎですよ。年間20万匹も輸入されて、放流されるなんて異常ですから！ なんと、ミドリガメの飼育が違法に!?　特定外来生物に環境省が指定検討 : … 『ミドリガメのサルモネラ汚染』 5分 http://t.co/IQv2621TH9 #studyplus

— Stray (@K9FCR) September 7, 2013

 

よろしいんじゃなくって？むやみに放すやつがいけないんだよ。外来カブトムシ系も規制しろ＞ なんと、ミドリガメの飼育が違法に!?　特定外来生物に環境省が指定検討 : ギズモード・ジャパン http://t.co/8Jnhygc43z @gizmodojapanさんから

— take-sa (@honeyflag) September 7, 2013

 

まとめ

ミドリガメが特定外来生物として指定されたら代替のカメが飼育されることになるんじゃないかなと思います。
そしてそのカメもまた数年後に特定外来生物として指定される可能性もあります。
ペットとして飼うなら責任を持って、最後のときまできちんと世話をしてやる…そういった気持ちが必要になるでしょうね。